腐っていく気持ち
店長になって、3人も店に来てくれない。先輩たちは笑顔で接してくれていても、心の底では何を考えているのか・・・
自分の仕事の技量は中途半端!そんな複雑な気持ちのまま、店の代表としてがんばってはいましたが、若さもあってわからない事ばかり。
毎日、気持ちが腐っていくんですね。スタッフに要求をする自分がいたりして、思うようにならない自分の気持ちを察してか、先生が「片山君、あなたの心の中の気持ちは墓場まで持って行かないといけんよ」・・・なんて言いました。
私は、その意味を当時素直に聞いたのでした。
「そうなんだ、決して口に出すことなく、すべて我慢していくんだ」
そう思ったのです。そして仕事をしていこう!そう心に決めたのでした。
間違いだらけの思い込み
言いたい事を我慢すると言うのは、きついもんです。それでも何とかなるもんで、自然となれるのですが、一番大事な物がなくなっていく時期だったと思います。それは・・・自分らしくない行き方だったという事。
この変な癖がとれるまで、この後20年ぐらいはかかっていきますが、相当な遠回りをする事になります。これが私の美容師としての技術以外の修行だったのかなと思います。
心のクセってなかなか治らないですから、気をつけた方がいいのですが、このクセは自分では治って行かないと思いますね。だからある意味、側にお師匠さんのような人がいた方が遠回りしなくていいと思っています。
さて、店長の器があったどうかわかりませんが、きっとなかったのでしょう。スタッフは、どんどんやめていきました。
店の売り上げも、どんどん下がって行きました。それはそうです。多くのスタッフがいる事での成り立っていた売上ですから、人がいなくなれば数字は下がっていきます。その反面私の個人の売り上げは、どんどん伸びていきました。
全体が落ちていくのを、何とか食い止めたい一心で、仕事のスピードを上げ、ほとんど店に来るお客さんを、自分の担当にしていくまで顧客を増やしていきました。
先輩の担当だった人も、先輩がいなくなった瞬間から、強烈に自分がするから来て下さいと言って、顧客に変えていく時期が続きました。
とにかく、私は必死で毎日30人から50人近くのお客様をカットしパーマなどを施していきました。
正直言って、お客様を、さばいていた時期でした。
お客様をさばくという言葉は、凄く失礼な表現ですが、実際7~8人は同一時間に抱えていくわけですから、完全に流れ作業的に仕事をしていたわけで、今なら許せるような事ではないと思います。
ただ、全く無駄な時期ではなく、おかげで今があると思っています。
振り返った時、どう自分が行ってきた事を、否定的に見ることなく、肯定的に見るか・・・
肯定的にとらえる事ができるようになると、前を向いて歩いていけますが、否定的にとらえてしまうと、いつも後ろを向いて、前に歩いているような感じですから、
よく物につまずきます。だって前が見えていないのですからね。
時々、壁にもぶつかります!
だって、やっぱり前がよく見えていないのですから。
しっかり前を向いて、歩いていった方がいいに決まっていますよね!