私の好きな話の中に
「天国の箸と地獄の箸」という話がありますが、
知らない人がいたらいけないので、一応このような話です。
「天国」と「地獄」では食事のときは2メートルもあるとても長い箸でご飯を食べなければならないという規則があります。
箸は長すぎるので食べ物をこの箸でつまんで自分の口へ運ぶことはとても難しいのです。
「地獄」の人々はこの長い箸で我先にと食べ物をつまんで、なんとか自分の口へ入れようとします。ですが箸が長すぎてどうしても口にはいりません。そのうちにある人は誰か他の人の食べ物を奪おうとし、いたるところで喧嘩がおきるようになります。またある人は規則をやぶって素手で食べようとします。このような状況になるとまさに「地獄」です。奪い合い、ルール違反ばかりの世界です。
一方、「天国」の人々は違います。長い箸を使って自分の口へ食べ物を運ぶのではなく、他の人の口へ食べ物を運んであげるのです。すると食べ物を食べさせてもらった人は、今度はお返しに食べ物をくれるのです。まずは他の人に与えることにより、自分も与えてもらえるのです。「地獄」の世界とは全く違う世界です。
まあ、条件が同じでも、自分の事ばかり考えていると、面白くないと言う、たとえのようですが、これ身の回りでも結構あったりします。特に私なんかこのような事を考えて生きていかないと、どうも自分が自分がってところが多々ありまして、美容師をしていても、やはり横着になったらアウトやなって思います。
他人のことを重んじる考え方は、日本人としての美徳ですからなくならないと思いますが、あまり気にしすぎていますと、「ご機嫌とり」にような感じに映って、私は好きではありません。
相手を重んじるって考えの、根底はやはり敬いの心でしょうから、決してご機嫌をとるのとは違いますよね。
楽しい気持ちにさせたり、嬉しい気持ちにさせたり、時には厳しさも感じられるのも大事ですが、自分が楽しく生きていないとなかなかそんな事も、流暢には出来ないと思うですね。