今開催されている、リオのオリンピックで日本選手が活躍していますが、金メダルを取った時に流れる「君が代」の国歌。その君が代がラブソングだったと言う資料を見つけたので紹介します。
あなたは、「君が代」の歌が、いつ頃出来たと思いますか?昭和の時代、いや、大正時代、いやもっと古く明治時代・・・実はもっと古くおよそ800年前の鎌倉時代だったのです。
1228年に書きうつされた。『和漢朗詠集』と言う歌集に出ています。
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いはほとなりて
こけのむすまで
冒頭にある、「君が代」の『君』とは、あなたとかきみと言う意味です。『代』とは、寿命とか、生命とかいのちと言う意味ですから、「君が代」と言う言葉の意味は、あなたの命、あなたの寿命となりますね。『千代に八千代に』とは、いつまでも長く続きますように・・・です。
『さざれ石の、いはほとなりて、こけのむすまで』
これは、いつまでも長く続くと言うことのたとえです。細かい小さな石が、長い年月の風化によって、大きな岩の塊になって、その岩にいっぱいの苔がはえるようになるまで・・・、どうぞ、いつまでも、元気で長生きして下さいと・・・
君が代が、800年も前からあった事にビックリしますが、実はこの「君が代」の元となったうたは、もっと古くからあったようです。
「君が代」のもとの歌は、「古今和歌集」(905年に作られた歌集で全20巻からなっています)に乗っています。
題しらず 詩人知らず
わがきみ
千代にやちよに
さざれいしの
いはほとなりて
こけのむすまで
古今和歌集のもとうた(原歌)では、「君が代」が「わがきみ」となっている事に注目して下さい。「わが君」とは、昔は、女性が尊敬したり、愛したりした男性に対して用いた言葉です。すると、この歌は「読み人しらず」で誰が読んだかは、全くわかりません。が平安時代(800年ごろ作られたと考えられています)のある女性が、敬愛する自分の男性に送った「恋の歌」であったことがわかります。解釈すると、次のようになります。
「わたしのあいするひとのいのちが、どうかいつまでも長く続きますように。たとえば、小さな小石が寄り集まって、ギッシリと固まって大きな岩となり、それに苔がはえるまで、どうか健やかに生きて下さいませ」
私達の国歌「君が代」の、元歌は平安時代の女性の、愛する男性への恋の歌だった!
何とも素敵なことだと思いませんか。
その昔、私は、軍国主義の歌だと聞いたことがありましたが、どこでどう間違えたのでしょうか?とても悲しいくなりますね。
また、この「君が代」は、ギネスブックによると、世界で最も古い国歌であると書いてあるそうです。
ただここで、しっかりと心にとどめておいてほしいことがあります。「君が代」は、千年も前から国民みんなの歌として、田植え唄や小唄や謡曲や盆歌として歌われていました。そのときの「君が代」の「君」の意味は、「あなた」でした。が、明治時代に国歌(ナショナルソング)として、国歌の様々な行事に天皇さまの前で国民が歌うようになりました。そのときには「君が代」の「君」は、当然天皇さまを意味する事になります。逆に天皇さまが、国民に対してお歌い下さる時は「君が代」の「君」は、当然国民みなさんを意味する事になります。ですから国歌となってからの「君が代」の意味は、天皇さまの御寿命と、もうひとつ、私たち国民一人一人の命が、いつまでも長く続くようにと祝っている歌だと言うことですね。
「君が代」の「君」は天皇さまをお迎えした時には「天皇の意味」
国民同士が歌う時には、すぐ側にいる「あなた」という二つの意味があると言うことを、良くわきまえておいてくださいね
参考:日本のこころの教育:致知出版社